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東京国立博物館資料館所蔵資料紹介-24

 資料館には、明治5年の博物館の創設以来、収集、蓄積してきた貴重な資料が数多く所蔵されています。2009年7月より展示コーナーを新設し、資料館の所蔵資料について種類別にご紹介をしています。

   第24回 日本古美術を海外に紹介する海外展のカタログ(外国語)

 今回は資料館が所蔵する海外の展覧会カタログのうち、日本の古美術を海外で紹介する展覧会・海外展のカタログを展示します。
 日本の古美術品を海外で紹介する機会は、幕末・明治期の万国博覧会への参加を嚆矢としますが、国際文化交流を目的とする展覧会が継続して行われるようになるのは戦後のことです。文化庁が主催する海外日本古美術展や、国際交流基金が助成を行う海外展、日本と海外の博物館が交換で展覧会を開催するもの、また、日本の新聞社が主催するものなど現在では開催形態は様々です。
 当館の海外の展覧会カタログは、国内の展覧会カタログとは異なり、特に図書と区別を行っていないため正確な所蔵冊数は把握できませんが、現時点の書誌データから判明できる数としては洋書の約1割強にあたる1500冊程度と推測されます。内容は日本・東洋の古美術から海外の美術を扱ったものまで様々です。洋カタログはページ数も多く、図版・論文等が充実し、ISBN(国際標準図書番号)をとって図書として流通しているものが多いのが特徴ですが、刊行年の古いものや小規模な展覧会では、小冊子の形をとるものもあります。カタログを含めた一般洋書の遡及入力は2007年度から2009年度にかけて、また新規の整理は2012年度に外注により実施しました。また、中国語・韓国語の展覧会カタログについても図書扱いしていることは、洋書と同様で、現在約400冊が整理されています。これらのデータ作成についてはNACSIS−CAT(大学図書館等の総合目録)の書誌データを利用していますが、展覧会カタログ固有の会場、主催者などの情報が記載されていないものもあり、データ整備を行う必要があります。また、未整理のカタログの解消も今後の課題です。これらを進めることにより正確な冊数の把握が可能となり、検索も容易になることでしょう。
これらのカタログは、開催先の美術館・博物館からの交換図書、所蔵品を出品したことによる納本などで収集されたものですが、十分とはいえず、今後、日本・東洋美術を所蔵する美術館・博物館との図書の交換や収集にさらに努める必要があります。


<展示資料>
1 『サンフランシスコ日本古美術展』 106-1180
Art treasures from Japan
[San Francisco] : M.H. de Young Memorial Museum , 1951
2 『ホノルル日本古美術展』 106-1239
Treasures from Japan paintings : a special loan xhibition
Honolulu : Honolulu Academy of Arts , 1955
3 『欧州巡回日本古美術展』 106-1607
Japanse kunst
Den Haag : Gemeentemuseum den Haag , 1958
4 『アメリカ巡回埴輪展』 106-1657
Haniwa
[New York] : Asia Society , 1960
5 『日本名画展』 122-E41
Trésors de la Peinture Japonaise du 12C au 17C
Paris : Musee du Louvre , 1966.11
6 『桃山美術展』 213-E3
Momoyama, Japanese art in the age of grandeur
[New York] : Metropolitan Museum of Art , c1975

<展示期間>
     2014年 7月1 日〜 8月28日