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東京国立博物館資料館所蔵資料紹介 第18回

資料館には、明治5年の博物館の創設以来、収集、蓄積してきた貴重な資料が数多く所蔵されています。

2009年7月より展示コーナーを新設し、資料館の所蔵資料について皆様に知っていただくため、種類別にご紹介をしています。

今回は、個人文庫をとりあげます。



第18回 個人文庫
  
 資料館では、蔵書の充実のために個人からまとまった量の図書のご寄贈を受けることがありますが、その中で、一般図書とは別に整理・配架している浅野本、立田本、野口本と称する個人文庫があります。これらは、いずれも博物館に関わりのある方から寄贈されたものです。
 浅野本は、戦後昭和26年から18年間館長職にあった浅野長武氏の蔵書を、昭和44年浅野長愛氏よりご寄贈いただいたもので、昭和45年3月刊の目録(ガリ版刷り38p)の凡例によれば1228冊から成る日本美術史を中心としたコレクションです。在任中に開催されたルーブル展やゴッホ展などの展覧会カタログを始めとする当館の刊行物も含まれています。また個人からの寄贈の書き込みのある図書や、日本美術に関する洋書の図録などを含んでいます。
 立田本は東京文化財研究所の元職員の立田三朗氏の蔵書で、昭和45年立田美智子氏より寄贈されています。同年8月刊行の目録の凡例では497冊から成り、内容は浅野本とも重なるところがありますが、文化財、特に金工関係が多い点に特徴があります。
 また、東京国立博物館の職員の野口義麿氏の旧蔵書は昭和59年野口かね氏より寄贈され、野口本として利用されています。考古学関係の図書・雑誌および発掘調査報告書などから成り、特に地方発行の考古学関係の雑誌を多数含んでいます。
 これらの個人文庫は、2010年度の遡及入力により、それぞれ856冊、542冊、1127冊と雑誌(野口)243タイトルが、OPAC(図書検索)で検索できるようなりました。残りについても継続して遡及を行います。また、昭和61年以降に寄贈された図書については、文庫として別扱いにせず、一般図書に交えて整理を行っていますが、受入時から図書データを作成して現在にいたっています。
 今回は個人文庫の中から、日本美術に関する図録を選んで展示します。



<展示資料>
     1 Histoire de l'art du Japon                        102-501-立田    
        Paris Maurice de Brunoff , [1900]                    
     2  Pageant of Japanese art  Tokyo National Museum              108-501-浅野
        Tokyo Tōto Bunka , c1952
    3  『欧米蒐蔵日本美術図録』 繭山順吉編                   108-B3-浅野
        [東京] 繭山龍泉堂, 1966.10 
     4 『東京国立博物館』 飯島勇著                         野口-0860
       東京 講談社, 1973.10  (国際版世界の美術館 6)
        
<展示期間>
     2012年6月1日〜8月30日