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資料館には、明治5年の博物館の創設以来、収集、蓄積してきた貴重な資料が数多く所蔵されています。2009年7月より展示コーナーを新設し、資料館の所蔵資料について種類別にご紹介をしています。
第25回 戦前の展覧会の目録・図録
日本の近代の美術展覧会の起源は江戸時代の社寺の開帳や物産会、書画展観会などの形態にあるといわれていますが、明治5(1972)年湯島で開かれた文部省博物館による博覧会や、明治10(1877)年の内国勧業博覧会などの博覧会の開催と関わりながら、博物館・美術館や展覧会の制度が成立していきます。1880年代以降、古器物の保護や殖産興業、あるいは日本美術の振興などを目的とした官設の展覧会や、様々な美術団体の作品公開の場としての展覧会が行われるようになります。資料館では、観古美術会や、内国絵画共進会、日本美術協会、日本美術院などをはじめとする展覧会の出品目録類(東京国立博物館以外の開催になるもの)約700冊(重複を除く)を所蔵しています。出版者の数では、美術館・博物館・美術団体のほかに図書館、大学、新聞社、個人など150ほどに及びます。これらの資料については、1990年代に図書とは別に”TE”から始まる請求記号を付与して整理を行い、2008年から2009年度にNACSIS-CATによる書誌作成と所蔵の登録を実施、現在は当館のOPACのみならず、CiNii Booksからも検索が可能となっています。
また上記の出品目録とは別に図版を主とする大型の展覧会図録(記念図録)が作成されることがあり、通常は展覧会の会期が終了してから刊行されています。和装(大和綴)で帙入のものも多く、資料館ではこれらを一般図書として整理を行っているため、正確な数は確定していませんが、およそ約100から120冊程度を所蔵しています。これらの大型図録類についても、展覧会との関わりがわかるような書誌的注記の有無を点検し、データを整備する予定です。今回は資料館が所蔵する戦前の展覧会の大型図録を5冊展示します。
<展示資料>
1 『天平文化綜合大展覽会図録 : 全』
東京・大阪 藝苑社, 1928.8 106-A6
会期・会場: 昭和3年3月25日-4月25日:大阪朝日会館
2 『浮世絵展覧会図録』 帝室博物館 [編]
東京 大塚巧藝社, 1930.9 122-B42
会期・会場: 昭和5年4月11-4月29日:帝室博物館
3 『現代総合美術展覧会図録 : 東京府美術館開館十周年記念』 東京府編
東京 東京府, 1935.3 106-A3
会期・会場: 昭和10年3月31日-4月21日:東京府美術館
4 『紀元二千六百年奉祝美術展覧會図録 : 第四部美術工芸』 文部省編
東京 美術工芸会, 1940.12 106-B55
会期・会場: 昭和15年11月3日-11月24日:東京府美術館
5 『第六回名宝展覧会図録』 大阪市立美術館編
京都 中島泰成閣, 1942.5 106-B1
会期・会場: 1941年10月5日-10月20日:大阪市立美術館
<展示期間>
2014年12月1日〜1月29日