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資料館所蔵資料紹介-8

資料館では、2009年7月より展示コーナーを新設し、資料館の所蔵資料について皆様に知っていただくため、種類別にご紹介をしています。今回は、洋書について取り上げました。

第8回   洋 書

東京国立博物館では、明治5年の創設当時から帝室博物館時代にかけて、当時貴重であった海外の文献を積極的に収集していました。また草創期の博物館は図書館を含む総合博物館として構想され、日本で最初の官立図書館である書籍館とそれを引きついだ浅草文庫伝来の図書も、蔵書の変遷はあったものの、博物館に必要な図書は現在に引き継がれ、漢籍と洋書については、情報資料室が管理を行っています。現在資料館で収集する図書資料のうち洋書の割合はわずかで、所蔵する洋書の蔵書全体に占める割合も大きくはありませんが、古いコレクションについての調査が始まり、博物館の展示室で展示されるようにもなっています。
 現在資料館で所蔵する洋書の数は約11,000冊です。1988年に館内で、1998年にwebで図書検索が公開されてからも洋書については1991年以降の受入図書しか検索できない状態でした。2006年度に多言語対応の図書館システムを導入し、2007年から2009年にかけて洋書の遡及入力を実施した結果、上記貴重書を除く洋書のほとんどがOPACから検索できるようになりました。その数は約7,700冊で、そのうち約半数が美術分野の図書です。また、貴重書については今年度から遡及入力を実施し、保存の手当についても行っていく予定です。
 今回の展示は、日本美術に関する図書を3点展示します。

<展示資料>
1 サミュエル・ビング 『芸術の日本』 (100−508)
Bing, Samuel 1838-1905
Le Japon artistique : documents d'art et d'industrie.  Paris : S. Bing, 1889
                                                
2 エドワード・モース 『モース・コレクション日本陶器目録』 (150-501)
Morse, Edward Sylvester 1838-1925
Catalogue of the Morse Collection of Japanese pottery.  Cambridge : Printed at the Riberside Press, 1901                        

3 ロ-レンス・ビニヨン 『日本と中国の木版画図録』 (126-501)
Binyon, Laurence 1869-1943
A catalogue of Japanese & Chinese woodcuts : preserved in the Sub-Department of Oriental Prints and Drawings in the British Museum.  [London] : Printed by order of the Trustees, 1916                  

<展示期間>
2010年5月6日〜6月29日