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講演会「シリーズ 美術雑誌と戦後美術―創り手たちの証言 第2回 伝統を引き継いで 生尾慶太郎氏(元『みづゑ』編集長)」のお知らせ

国立新美術館で4月に行う、下記の講演会をご案内させていただきます。
申し込みなどは必要ございませんので、お気軽にご参加ください。

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今年2月にスタートした当館所蔵の美術雑誌をテーマにした連続レクチャーですが、ご好評いただいた初回に続く第2回目は、1958年から1970年にかけ月刊の美術雑誌『みづゑ』の編集長を務められた生尾慶太郎氏をお招きします。
みづゑ』は、1905年、水彩画家であった大下藤次郎(1870年−1911年)によって、もともとは水彩画の専門誌として創刊されました。誰でも簡単に手がけることができる水彩画の普及を通し、美術愛好者の裾野を広げることを目指しましたが、大下は1911年41才で死去、没後は妻春子がその志を引き継ぎ、新しい美術の動向にも眼を向けた総合美術雑誌として発展させました。1934年には息子の大下正男が編集人となり、戦時中、物資統制で他の美術雑誌と統合を余儀なくされたものの、戦後まもなく復刊、1981年に921号で休刊するまで、日本美術の発展に大きな役割を果たしました。
生尾氏が、この伝統ある美術雑誌の編集を託されたのは、入社わずか数年後のこと。まだ20代の若さでした。以後1960年代の美術を編集長として見続けられた生尾氏から、同社から刊行されていた『美術手帖』『美術批評』とはひと味ちがった『みづゑ』の編集スタイルや、編集にまつわるエピソードなどをうかがいたいと思います。
皆様のご参加をお待ちしています。


日 時 : 2010年4月24日(土) 14:00〜15:30(開場は13:30)
講 師 : 生尾慶太郎氏(元『みづゑ』編集長)
聞き手 : 平井章一(国立新美術館 情報資料室室長・主任研究員)
会 場 : 国立新美術館3F 講堂 http://www.nact.jp/
定 員 : 120名(先着順、事前申込不要) 聴講は無料です。


生尾慶太郎(いくお・けいたろう)氏 略歴
1929年茨城県生まれ。1953年慶応義塾大学文学部美学美術史科卒業。1954年美術出版社入社、編集部に所属。1958年から1970年にかけ、同社発行の月刊美術雑誌『みづゑ』の編集長を務める。1971年東京セントラル美術館の創設に参加、1994年まで同館企画部長。2000年著書『美術を鳥瞰するとき』(里文出版)出版。2004年から06年東京美術倶楽部刊行の『美術商の百年―東京美術倶楽部百年史』の編集顧問。2006年より、同年創立の了徳寺大学芸術学部非常勤講師。現在、最近の日本画から失われつつある精神の軌跡の表現としての筆線(墨線を主とする)の意味をあらためて考察する著作を準備中。明治美術学会会員、三田芸術学会会員。


問い合わせ先 TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル) 
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