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資料館所蔵資料紹介-4

資料館には、明治5年の博物館の創設以来、収集、蓄積してきた貴重な資料が数多く所蔵されています。2009年7月より展示コーナーを新設し、資料館の所蔵資料について皆様に知っていただくため、種類別にご紹介をしていきます。
第4回 博覧会資料
 資料館では、明治時代に日本が参加した万国博覧会や、国内で開催された博覧会の出品目録や報告書などの資料を約500点所蔵しています。そのほとんどは博物館の草創期に蓄積されたもので、一部は近年収集した資料も含んでいます。
<草創期の博物館と博覧会との関わり>   
 明治政府は、文明開化と殖産興業をすすめるため、西洋から学んだ博物館や博覧会という制度を日本に導入しました。19世紀後半は、産業革命後のイギリス、ロンドンでの最初の万国博覧会を皮切りに、欧米各国で次々と万国博覧会が開催された時代でもありました。日本も参加要請を受け、国威の発揚や、輸出の増進、技術伝習などを目的として、明治6年に開かれるウィーン万国博覧会への参加を決定します。明治5年湯島聖堂大成殿において文部省博物局によって開催された博覧会(博物館の創立)は、その出品準備を兼ねたものでもありました。その後博物館は、明治6年3月博覧会事務局と合併して内山下町に移転し、明治6年、7年にはウィーン万国博覧会の出品の剰余品と持ち帰り品による博覧会を開いています。また、博物館の上野移転は、万国博覧会をモデルにした内国勧業博覧会の上野での開催によって拍車がかかり、明治14年の第2回の内国勧業博覧会では、新築なったコンドル設計の博物館の建物が使用されるなど、初期の博物館は博覧会と関わりながら発展していきました。
 今回の展示は、万国博覧会に関する資料を3点展示します。

<展示資料>
1 「澳國博覧会参同記要」 東京 : 森山春雍, 明治30年(1897)                     H1873-135
2 Exposition universelle de 1878 : catalogue de la section Japonaise =
日本美術出品目録 : 千八百七十八年 : 巴里府大博覧会 Paris Lacroix 〔1878〕       H1878-002
3 The book of the fair : an historical and descriptive presentation of the world's science, art, and industry, as viewed through the Columbian Exposition at Chicago in 1893. Chicago Bancroft 1893     H1893-004
<展示期間>
2009年10月1日〜10月30日