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美術情報センターからのお知らせ

「BODY/PLAY/POLITICS」・「篠山紀信展 写真力」連動企画 特別資料展示
『ピクチャー・ポスト』に見る「フォト・エッセイ」

 BODY/PLAY/POLITICS展出品作家・田村友一郎は、占領下の横浜で目にした米兵の鍛えられた肉体に端を発して日本のボディビルディング史が興った点に着目し、身体像の持つ力から創作を拡げています。また、写真家・篠山紀信の作品を振り返る中で「人物」を映す写真の持つ力強さを知ることでしょう。
 美術情報センターではこれら二つの企画展に寄せて、アメリカの『ライフ』、フランスの『ヴュ』と並び写真雑誌の一時代を画したイギリスの写真週刊誌『ピクチャー・ポスト』(1938年創刊、1957年終刊)を採りあげ、紹介します。
 『ピクチャー・ポスト』初代編集長シュテファン・ローラントは、単体写真ではなく組み写真により一つの主題を提示する「フォト・エッセイ」の手法を確立したともされます。主要な人物に続けて、揶揄するようにサルの連続写真を掲載する一方、無名で平凡な‘普通の人’を連続して多く登場させた「フォト・エッセイ」が、同時代の人々に見ることと見られることの関係を知らしめ、見る行為の概念自体をも変容させたと言われます。
 また、『ピクチャー・ポスト』が熱狂的な人気を博したことは、未だ階級に隔てられていたイギリスにおいて、地域や世代を越えて共通の文化を享受する共同体の生成を意味し、それゆえ、やがて政府に公的プロパガンダに利用されることになりました。そこには、敵国ニッポンの姿も映しだされています。
 単体写真ではなく組み写真により一つの主題を提示する「フォト・エッセイ」の手法で、人々の姿がどう伝えられたかを中心にご覧いただく資料展示です。
 企画展と合わせて、どうぞご覧ください。

会期=2016年10月1日[土] 〜 2017年3月22日[水]
休室日=毎週木曜日、11月4日(金)および年末年始
(ただし2016年11月3日、2017年1月5日、2月23日を除く)
開室時間=10:00〜18:00
入場無料

横浜美術館 美術情報センター
【アクセス】美術館正面に向かって左手、ランドマークタワー側レストラン前の階段、
またはエレベーターをご利用ください。
 美術情報センターは、展示室からも直接お入りいただけます。ただし、展示室の入場には観覧料が必要です。

〒220-0012 横浜市西区みなとみらい3-4-1
Tel. 045-221-0316 Fax. 045-221-0317 
http://yokohama.art.museum