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東京国立博物館資料館所蔵資料紹介-20

資料館には、明治5年の博物館の創設以来、収集、蓄積してきた貴重な資料が数多く所蔵されています。2009年7月より展示コーナーを新設し、資料館の所蔵資料について種類別にご紹介をしています。

第20回 中国語雑誌
 今回は文物・考古関係の中国語雑誌を取り上げます。東京国立博物館資料館では、終了したものや部分的な所蔵にとどまるものを含めて約100タイトルの中国語雑誌を所蔵しています。多くは、寄贈や交換によるもので、最も古いものでは1927年創刊の『燕京大学燕京学報』や、1928年創刊の『国立中央研究院歴史語言研究所集刊』など、大学や研究機関の刊行する雑誌があります。
 文物・考古関係の代表的な雑誌としては、『文物』、『考古』、『考古学報』などが挙げられます。文化大革命による休刊の期間(1966年〜1971年)を除き、それぞれ前身の『文物参考資料』、『考古通訊』、『田野考古報告』から、これらのほぼ全てを所蔵しています。
 また、清朝皇室が保有していた歴代皇帝の美術品は、北京の故宮博物院と台湾の国立故宮博物院が収蔵していますが、北京故宮博物院の編集刊行する雑誌としては、『故宮博物院院刊』(1958-)、『故宮学刊』(2004-)、『紫禁城』(1982- )があります。また、台湾の国立故宮博物院の編集刊行する雑誌としては、『故宮季刊』(1966-1983)と後続の『故宮学術季刊』(1983-)、および『故宮簡訊』(1980-1983)と後続の『故宮文物月刊』(1983-)があります。いずれも先方の博物館との寄贈・交換によって入手したものです。
 また、中国では1950年代より多くの地方博物館が創設されていますが、浙江省博物館、陝西歴史博物館からはそれぞれ、『東方博物』、『陝西歴史博物館館刊』を寄贈いただいています。
 他に、2007年度から2008年度にかけて、元当館上席研究員の松浦宥一郎氏から、『考古与文物』、『北方文物』、『南方文物』、『中原文物』、『華夏考古』などの中国語雑誌や図書資料を数多くご寄贈いただきました。それにより、資料館の考古・文物関係の資料が充実できたことをここに記して、感謝の意を表したいと思います。


<展示資料>
    1 『田野考古報告』 第1冊 [国立中央研究院歴史語言研究所専刊編輯委員会] [編]  043-22
        上海 商務印書館, 1936.8
    2 『文物参考資料』第1至6期彙報 中央人民政府文化部文物局資料室 [編]       043-24
       北京 中央人民政府文化部文物局, 1950.10
    3 『考古通訊』 創刊号 科学出版社                    043-25
       北京 科学出版社, 1955
    4 『故宮博物院院刊 』 1958年1期                     043-29
       北京 文物出版社, 1958 
    5 『故宮季刊』 第1巻第1期                        043-40
       [台北] 国立故宮博物院, 1966.6                                   
    6 『中国歴史博物館館刊』 1979年第1期                 043-61
       北京 文物出版社, 1979 
<展示期間>
     2013年1月4日〜 2月27日