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講演会「シリーズ 美術雑誌と戦後美術―創り手たちの証言 第5回 美の荒廃から復興へ 小川熙氏(元『藝術新潮』編集者)」のお知らせ

国立新美術館で行う、下記の講演会をご案内させていただきます。

当館所蔵の美術雑誌をテーマにした連続レクチャー「美術雑誌と戦後美術―創り手たちの証言」。今回は、『藝術新潮』を取り上げます。

終戦後、文化的飢餓状態の中、戦中に廃刊を余儀なくされた雑誌が相次いで復刊され、また新しい雑誌が創刊します。美術分野も例外ではなく、1945年11月の『美術』(『みづゑ』改題)復刊を皮切りに、『三彩』(1946年)、『美術手帖』(1948年)、『BBBB』(1949年)、『美術批評』(1952年)など多くの雑誌が産声を上げました。

そんななか、美術という専門的な一分野にとどまることなく、より総合的で横断的な“芸術の総合雑誌”を目指して、1950年1月に新潮社から創刊されたのが『藝術新潮』でした。初期の『藝術新潮』からは、ジャンルの枠を取り払い、新しい世界を創ろうとした、この時代の情熱を見てとることができます。

ご講演いただく小川氏は、創刊後まもない1954年から1967年まで同誌編集部に籍を置かれました。当時の編集を知る方の多くが、すでに鬼籍に入られており、今回のお話は、当時の様子を知る貴重な機会になるはずです。

皆様のご参加をお待ちしております。


日 時 : 2010年10月17日(日) 14:00〜15:30(開場は13:30)
講 師 : 小川熙氏(元『藝術新潮』編集者)
聞き手 : 平井章一(国立新美術館 情報資料室室長・主任研究員)
会 場 : 国立新美術館3F 講堂 http://www.nact.jp/
定 員 : 120名(先着順、事前申込不要) 聴講は無料です。


小川熙(おがわ・ひろし)氏略歴
1930年東京生まれ。1954年東京大学文学部美学美術史学科卒。1954年から1967年まで『藝術新潮』編集部に在籍。1967〜68年度イタリア政府給費留学生として渡伊、ローマ大学文学部聴講生となる。のち1979年までローマ滞在し、この間もフリーライターとして『藝術新潮』に多数寄稿する。1988年より2000年まで中部大学国際関係学部教授。著書に『〈新潮選書〉地中海美術の旅』(新潮社、1985年)、『イタリア12小都市物語』(里文出版、2007年)、共著に『〈とんぼの本澁澤龍彦のイタリア紀行』(新潮社、2007年)、訳書に『医学の歴史』(原書房、2009年)がある。

問い合わせ先 TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)